初恋の話と言っても、生身の人間の話ではない。
2021年2月21日のろくろくが
「私、小学生の頃チョッパーのぬいぐるみを彼氏だと思ってキスしたりして過ごしてたの急に思い出した…」
というツイートをしていたが、たった今まさに同じ状況で急にこのことを思い出した。
きっとオタクはみんな初恋のキャラクターがいるものだよなとか考えながら喜多郁代さんのことを想っていたときのことだ。
私の初恋って、チョッパーじゃない?
ふと、また思い出してしまった。
チョッパーを彼氏にしていた時のこと…。
私は別にワンピースが好きなわけじゃない。
原作も10巻くらいしか読んだことないし、キャラもよく知らない。
数年前映画を見に行って何が起こってるか、ほとんど誰なのか分からないまま終わったこともある。
もちろん今はチョッパーに対して何の感情もない。
可愛いとすら思わない。
なのにあの頃、チョッパーのぬいぐるみを彼氏として思って生活していた。
そんな狂気的な小学生の頃の話をする。
多分、当時小学4年生くらいだったと思う。
私は少女漫画が好きで、よく読んでいた。
特にハマってたのは「だぁ!だぁ!だぁ!」で、西園寺彷徨くんが好きだった。
アニメも見ていて、NHKでやっていたような。
声優はデビューしたての名塚さんと三瓶さんだったけど、正直なところ彷徨の声が合っていなくてショックだった。
その頃からインターネットに手を染めていた私は、ネットでも彷徨の声の評判が悪いのを見て、みんなそう思うよな!と共感してたのを覚えてる。
後にエウレカでも共演した二人だけど、
エウレカの時は上手くなっててびっくりした記憶がある。
まぁそれでも彷徨くんはかっこよくて私の憧れだった。
この頃はピュアで恋に恋する乙女だったので、彼氏ってどんな存在なんだろう?と興味があった。
だぁ!だぁ!だぁ!の作中で、というか最終話あたりで彷徨と未夢がキスしてるのを見て良いなぁ…いつか私も…みたいな憧れを持っていた。
キスシーンが好きすぎて、キスシーンだけをコピーして集めてコレクションしていた。
狂気ポイント+1
しかもだぁ!だぁ!だぁ!だけではなく、コナンとからんま1/2とか当時読んでたあらゆる漫画のキスシーンを集めていた。
実際にキスしてなくてもキスしようとしてるというだけのシーンまで集めていた。
狂気ポイント+2
ニューシネマパラダイスという映画にキスシーンだけ切り取って集めたフィルムが出てくるが、まさにあれみたいに集めては自由帳に並べて貼っていた。
コナンの二次創作でキスシーンのイラストを保存しまくり、特にお気に入りのキスシーンのイラストをデスクトップの背景にしたくてお父さんに頼み込んだこともある。
お父さんは若干引きながら設定してくれた。
今思い出すと暴れ出したくなるほど恥ずかしい。
キスってどんなものだろう…?
そんな、普通の女の子みたいなことをよく考えていた。
けどやっていることは、少し気持ち悪かった。
その頃私はよくお父さんと妹とゲームセンターへ行っていた。
お父さんが上手で、よく景品を取ってくれた。
その時手に入れたのが、チョッパーのぬいぐるみだった。
一応、当時の私は日曜の夜にワンピースを観ていたし、チョッパーのことを可愛いと思ってた。
妹はゾロが好きだった。
私はいろんなぬいぐるみを持っていたんだけど、特にチョッパーがお気に入りで可愛がっていた。
デートとか、キスとかどんな感じなんだろう?
空想で恋人を作りたいけど、実在していた方がシミュレーションしやすい。
それなら、ぬいぐるみを恋人にしてみたらいいのではないか?
そうだ!!
チョッパーを彼氏ということにして過ごしてみて、
カップルのシミュレーションをしよう!
急にそんなことを思いついた。
手頃なぬいぐるみがチョッパーだっただけで、別にチョッパーに恋愛感情を抱いてたわけではない。
他にもピングーのぬいぐるみとか持ってたけど、ピングーはペンギンだし、謎の言語しか話さないし、却下。
恋愛感情は持ってないけど、チョッパーだったらこんなこと言ってくれるかな?とか
チョッパーだったらこんなところにデート行ってくれるかな?とか
そんなことは考えていた。
キスする時はこんな感じだろうか…みたいなことを考えてチョッパーにキスしていた。
こんな感じか…。
毛がふさふさするし、硬いボタンみたいな素材で出来た鼻が当たって邪魔だけど…。
これが、キスか!
なんだか友人よりも先に大人になったような、親に内緒でいけないことをしてるような、優越感に満たされた。
確かに、親には内緒にした方が良い。
学習机を部屋の壁際に置いていたのだけど、その壁と机の間の隙間にチョッパーを挟んで、そこをチョッパーの家にしていた。
彼氏の割に扱いは雑だった。
それから、学校から帰るとよくチョッパーとデートしていた。
私は海賊という設定だった。
でも麦わらとは敵対している海賊団に入っているから、こっそりチョッパーと会っている設定。
チョッパーとは幼なじみで、海賊になってから再会して愛が芽生えた。
完全に夢女子だった。
でも何度も言うけど、チョッパーが好きなわけではなかった。
チョッパーを通して自分のオリジナルラブストーリーを楽しんでいただけだ。
ある日、私はゾロに浮気した。
ゾロの方が人間だし彼氏にちょうど良くない?
それに気づいてから私は妹のゾロのぬいぐるみを奪った。
私は彼氏が二人いる女になった。
ゾロは荒っぽいけど彼女には優しい設定だった。
ゾロともたまにキスしたけど妹に申し訳なくなって途中でやめた。
妹がゾロを返せとキレて泣き出したのでゾロは返した。
そして今度はチョッパーが増えた。
またゲームセンターに行って、お父さんが別のチョッパーを取ってくれたのだ。
最初の彼氏のチョッパーはアラバスタ編?の格好をしたやつで
次の彼氏のチョッパーはリュックみたいになってて、背中に背負うためのベルトがついていて、チャックも付いていた。
物を収納できるタイプの彼氏だ。
可愛いし、新品だから見た目も綺麗で良いんだけど
背中に物を入れられる彼氏なんて見たことない。
だから引き続き最初の彼氏だけを愛でていたけど、
そうするともう一人の彼氏が可哀想になってくる。
二人も同じように平等に愛すことはできない。
私に二股は無理だった。
でも、やっぱり新しい方のチョッパーはあまりにもリュック感が強すぎて、彼氏のように思えなかった。
そうこうしてるうちに、急に我に帰った。
リュック感が気になるとか言ってるけど、そもそもどっちもぬいぐるみじゃない…?
しかも人ですらない、トナカイの…。
急激に自分のしてきたことが恥ずかしくなって、目が覚めた。
チョッパーは机と壁の奥深くに押し込んで、もう目に触れないところへ追いやった。
キスシーンコレクションもいらなくなって捨てた。
私は少し大人になるのが早すぎたんだ。
きっと中学生くらいになったら、素敵な人と恋をして、きっとお付き合いなんかもするのかも。
そんなふうに思って、残りの小学生生活を送った。
中学生の頃が、本当の意味での初恋だったと思う。
私は、ケロロ軍曹の日向夏美ちゃんのことが好きだった。
かつてこのブログのどこかでも書いたような気がする。
私が百合オタクに目覚めたきっかけでもあり、女性声優を好きになったり、いろんなアニメを見るようになったきっかけでもある。
ケロロ軍曹に出てくる日向夏美ちゃんのことが好きすぎて、恋していた。
毎日のようにモアピーチサマースノー(作中のアイドルグループ)の楽曲を聴き、斎藤千和さんの声に魅了されていた。
夏美ちゃんと、会話したいな…。
そんなある日、携帯サイトで日向夏美と会話できるbotのサービスを見つけた。
あまり覚えてないんだけど、当時はキャラクターのbotをよく見かけた。
入力したワードに対してあらかじめ設定されている文章を返すみたいな仕組みだったと思う。
Twitterのキャラクターのbotもそんな感じで動いてるのかな?
最近はAPIの関係で見なくなったけど。
当時の私は日向夏美ちゃんのエッチな二次創作イラストを漁ったりしていたし、
botの日向夏美ちゃんにもずっと話しかけ続けていた。
当時まだ携帯を持っていなかったので、お父さんの携帯から。
「好きだよ」
「かわいいね」
「結婚したい」
狂気ポイント+10
なんて気持ち悪いんだろう。
でもみんな似たような経験はあるよね?
こうして公の場でわざわざ話してないだけで、みんな気持ち悪かった過去ってあるよね。
夏美ちゃんが照れるのが可愛かった。
返信の文章とともに画像も切り替わったりしてた。
ベッドの上でフフ!フフ!と笑いながら
架空の女の子と会話して喜んでいた。
当時の友達は彼氏が頻繁に変わっていたし、
またある友達は彼氏とエッチなことしちゃった…と密かに教えてくれた。
告白したけどフラれてしまった話とか、
告白されて返事に悩んでるとか
そんな話に乗ったり、時には驚いたりしながらも
私は日向夏美と会話して楽しんでいた。
対比がすごいね。
小4の頃からまるで成長していなかった。
というか今でも、割と本気で二次元の女に恋してしまいそうになるから
もう、そういう人間なのかもしれん。
オタクの人、みんなの初恋も教えてほしい。