童貞くんと二人で紅葉狩りに行くことになった話

これはネタになる!と思いTwitterで一切呟かず、ブログに書き留めておきました。

今日はその疲れからか体調が悪いので横になりながら執筆しています。

超長文になりそうなので暇な時に読んでね。

やっぱりろくろくは不憫な目に合ってる時が一番輝いてると思うよ!

 

前の職場の上司(女性)が久しぶりに遊ぼう!と誘ってくれたのが始まり。結構歳離れてるけど友達みたいに気さくに接してくれる上司でたまに一緒にゲームしてる。コロナもあるし飲みには行かずに軽く市内の紅葉を見たりしてランチをしようとなった。

後日「◯◯くんも行きたいって言ってるけどどう?」とLINEがきた。私が辞める数ヶ月前に入ってきた年下童貞くんだ(自分で言ってた)

顔は少しオタクっぽいけど可愛い顔してるし清潔感もある。内気だけど素直な後輩でもうちょっと積極的に行けばモテそうなのに…というイメージだった。付き合いは短いが、同年代が少なかったこともありそこそこ仲良くしててプライベートで飲みに行ったこともあった(もちろん複数人で)

とはいえ退職してから全く関わらない程度の関係。どうやら彼もゲームが好きで仲間意識持たれてたらしい。あと誰かを新車に乗せたいらしく、運転手を買って出てくれたとか。まぁ別にいいかなーと了承した。

 

しかし、当日待ち合わせに上司は来なかった…。会社でトラブルがあり、出勤することになったらしい。待ち合わせ時間過ぎてから連絡きたから私と童貞くんの二人が既に到着している状態。

わざとじゃないよな??こんな漫画みたいなことする???二人だけにするとかひどすぎん?一瞬LINEでキレ散らかそうかとも思ったけどどうやらマジっぽいのでやめておいた。

「来れないみたいだし日を改めましょう!」

私はそう言って帰ろうとした。

「いや行きません?せっかくだし」

「えっ」

紅葉狩り行きましょうよ!」

「え…二人だし今日はやめようよ…」

というやりとりがだいたい5分くらい続いた。私と会ったことある人はわかるだろうけど、私は顔に似合わず押しに弱い、気も弱い、断るということができない…全体的に弱い性格の人間だ。

「あ、じゃあ少しだけなら…」

 

†地獄の始まりだった……†

 

 

運転は新車自慢したい童貞くんがしてくれるので、童貞ハウスの近くのスーパーで待ち合わせていた。「運転任せてください!迎えに行きます」とか言ってた。なのに…。

「家の指定駐車場に車停めてあるんでそこまできてもらえます?」

あ、スーパーには車できてないんだ…童貞くんの家近所だしすぐそこなのかな…。

全然違った。私の住んでいる地域は坂道が多く平地なんてほとんどないのだが、こいつの駐車場もとんでもない坂の上にあった。大通りから路地に入り、急な坂を15分ほど登らされてようやく辿り着いた頃には息ができなくなっていた。つらいよ。私、リングフィットも10分できないのに。これのどこが迎えに行きますだよ…。

既に帰りたくなっていたが、ひとまず車に乗った。第一声が「雲仙の仁田峠行きましょう!」だった。

は????雲仙、昨日行ったが…。

そう、私は前日に友達と雲仙市に行っていた。楽しい日帰り旅行だった。私の住む長崎市から雲仙市までは約1時間半ほどかかる。え、また行くの?

「実は雲仙って昨日行ってきて…」

仁田峠も?」

「いやそこは行ってないけども」

「じゃ行きましょう!」

「ホェー!?」

とかいいつつ確かに昨日も仁田峠に行こうとして時間なくて断念したからちょっと気になっていたのは事実…行きたい気持ちがあった。しかしこいつと長距離ドライブに耐えられるだろうか?(ちなみに、仁田峠というのはとても美しい紅葉スポットです)

でもこの時の私は紅葉を見てみたくて、とりあえず行くことにした。意外とフットワーク軽い一面もある。

「さぁ、どのルートで行きますか?」

「え?ルートとかよく知らないんだけど何があるの?」

「◯◯を経由するルートと◯◯を経由するルートがあります。違いは知りません」

あぁ、そう。私も知らないが…。

「どうしましょう?どうしたらいいですか?」

「どう違うの?てかナビ使わないの?」

「いやGoogleマップって信用できないし…」

あぁ、そう。お前より信用できるが…。

この時点でやっぱ行くのやめとけばよかったかなと後悔し始める。私がルートを調べて昨日友達が運転してくれたルートを思い出した。一応Googleもマップも車に繋げた。

 

会話はそれなりに弾んだ。退職した後の人間関係や仕事のことなど聞いていて面白い話はいっぱいあった。でも話しながら気づいたんだけど、童貞くんは笑い方がすごくキモかった。

ハハハハ!って笑い方じゃなくて「クククク…」とか「ウッウッウッウッウッウッ」って笑う。

在職時もそう思っていたことをようやく思い出す。しかも車内という密室で聞いてるとよりキモくて生理的に無理になってきた。しかもことあるごとに笑う。面白くないのに笑う。さすがに芸人に憧れる私でも何でもかんでも笑われるとやりがいがないし、とにかくキショい。

だから途中から笑わせるような冗談とかを言わずにクソ真面目な返答しかしないことにした。笑ってほしくなくて。それでも笑っていた。語尾に必ずクククク…ウッウッウッウッウッウッ…がついた。もう話したくない。帰りたい。

 

12時を過ぎた頃、お腹空いたからご飯食べましょうという話になり童貞くんが突然私に「あの店調べて!」と言って窓の外を指差した。私はぼーっとしていて見逃した。

「何?なんて書いてた?」

「え、なんで見てなかったんですかウッウッウッウッ…(キモ笑い声)」

笑うな。

その後調べていたら「六兵衛」という島原の郷土料理を扱うお店を見つけた。ろくろくだし、ここにするか。店も割と近くて見つけられた。見つけられたのに…。

「え、入り口ってここですか?え?入っていいのかな?ねえ、入っていいと思いますか?あ、通り過ぎちゃった!」

わかりやすい入り口ありましたけど…。入り口すら確認とるのか。思えばこいつは接客する時もことあるごとに周りに確認しにいく変なやつだったな…と記憶が蘇る。通り過ぎた後、GoogleがUターンを促しルートを出してくれた。だが…。

Googleマップ信じていいんですかね?ここでUターンしていいんですかね?」

いいから早くUターンしろ。運転下手くそな私でもここならUターンできそうというスポットがあるのに全てスルーしてだいぶ先まで行った後ようやくUターンした。

この辺で上司に「二人でドライブすることになったけどヤバいですよ助けてください」とLINEした。

 

やっと店の敷地には入れたが、今度は駐車ができない。

「駐車、苦手で…」

わかる。私もできない。なので最初はあたたかい目で見ていた。でも、何回やり直すんだろう?20回くらい入れ直してた。もうよくない??

六兵衛に着くとかなりの人が待っていた。意味ありげに美味しんぼが飾られてたから載ったことあるのかな?私はできるだけ早く帰りたかったから空いてそうな店に変えたかった。

「どうしましょう?待ちますか?」

と聞かれて、すぐさま付近の店を提案してここに変えようと促す。だが…。

「でも、下手に動くと危ないから…」

は?戦場か?

「店に入れなくなる可能性もあるし、ここで待ちましょう」

まぁ確かに店に入るだけであんな大変だったもんな。でも、なら聞くなよ。

 

私はゴボウ天の六兵衛を頼んだ(童貞くんはメニューすら決めれなくて私と同じのを注文した)がとても美味しかった。でも食べてる時ハエが4匹くらい飛んでた。デカいやつ。ずっと童貞くんの肩や頭に乗ってたけど何も言わずそっとしておいた。私の方に来てほしくなかったし。

童貞くんは仕事の愚痴とか言ってた。私もよく知ってる上司がストレスMAXになって急に大声出して発狂したらしい。マジウケる。

 

いよいよ仁田峠を目指した。

「どのルートで行きますか?」

またこの質問だった。カーナビか?

「どういうルートがあるの?」

「◯◯を通るルートと◯◯を通るルートです」

「どう違うの?どっちが早く着くのかな?」

「さぁ……ウッウッウッウッ(キモ笑い声)」

笑うな。

また私が検索して安全に行けそうな方提案した。途中の山道は紅葉が綺麗でよかった。童貞くんは急に窓を開け始めた。

「紅葉を感じる」

は?????

私は苦笑するしかなかった。というか寒いからしめてほしい。山道だからどんどん気温下がってる気がする。寒い。けど相手が紅葉感じてる時に寒いから閉めてとか言えるような性格じゃない。そもそも、こんな性格でなければ早く帰ろうとか言えてるし誘いも断ってるはずだ。遠慮がちすぎてトイレ行きたいとかの要望も口に出せないタイプなので、しばらく耐えてた。でも無理だった。

「寒いから閉めてほしいんだけど…」

「あ、でも、これは、中途半端に開けちゃったから、○▼※△☆▲※◎……」

は?何????

中途半端に開けたら閉めれない仕様なの?めんどくさくて耐えることにした。と思ったらその5分後くらいに閉めてくれた。宇宙人と接してる気分だった。

 

仁田峠は、ほぼ紅葉が落ちてた…。童貞くんは急にどこか行ったり一人でうろうろしていたので私は平成新山を眺めていた。早く帰りたい。

上司からLINEが返ってきた。「ごめんね。二人きりって大丈夫?大丈夫と思うけど変なことになったら電話してね。帰りは迎えにいくよ」みたいな内容だった。変なことにはなっている。

 

こうして紅葉もあまり見られなかったしさっさと帰ることにした。私ももうこの頃にはすっかり疲れ果てていて、会話もままならなかった。なんで私はこんなことしてるんだろう?早く帰ってアニメ見たりTwitterしたい。その事しか考えられなかった。同時に、ブログ書いちゃおwと少しワクワクしてた。

仁田峠から降りるときもまた「どのルートで行きますか?」の質問がきた。

「どんなルート?時間に違いはある?」

「いや、それはわからないです」

そうだよね。調べるね。

あんまりグネグネしてない方の道を提案しておいた。そしてさらに山道を下りながら「長崎まではどのルートで帰りますか?」の質問がきた。ハァァァァァ……(クソデカ溜息)

「きた道戻れば?」

童おじにもニコニコ接するお人好しの私が塩対応になっていた。

「きた道戻るとき雲仙の地獄通りますよね。せっかくだし寄っていきましょう!」

「え…」

雲仙の地獄…昨日友達とさんざん堪能したスポットだった…。でももう童貞くんは行く気満々だった。めんどくさかったのでもう何も言わなかった。既に私は今日ずっと地獄にいる気分だょ…。

「ここに停めます!」

「え…」

地獄付近に着くといきなり駐車場に入っていった。何かいう間もなかった。ここは地獄からかなり離れたところだ。え?歩くの…?

15分くらい歩いた。往復だと30分のロス。早く帰りたい私には苦痛だった。昨日の友達はすぐ近くの駐車場に停めてくれたよ。やっぱり友達っていいなぁ。

地獄に着くと、湯気と硫黄の匂いに包まれた。昨日メチャカワ子猫に出会ったんだけどまたいないかなーって探してたらいた!

私はすかさず子猫に近寄って撫でたりした。童貞くんも猫は好きらしく、はしゃいでいた。写真撮ったりしていたら、観光客っぽいおばさんがやってきて「猫可愛い!」と騒ぎ出した。そのままパシャパシャ写真を撮り始めた。

すると「お二人も撮りましょうか?」と言ってきて私は「いやいやいいですいいです!」と言うのに童貞くんは「撮ってくださーい」とか言うしこのババアも図々しいから撮り始めた。しかもババアのスマホで。その写真どうするのかと思ったら「インスタやってる?」と聞いてきた。童貞くんは「まぁやってます」とか言う。私はやってない(という設定)と答える。「載せとくね!」と言われた。

「えっっっっっっ!?!?!?」

ババアはスタスタと湯気の中を歩いて行った。え、やめて!!!!勝手に載せるってどうなの?しかも童貞くんとのツーショット(+子猫)だ。知らない人から見たらカップルのように見えているだろう…耐えられない。

 

私は鬱になった。なんか頭も痛くなってきたし、気分が悪かった。適当にうろついた後早々に駐車場に向かうことにした。

早く帰りたかった。早く帰って、アニメを見たい。レズのことしか考えたくない…。

「アイス食べません?」

童貞くんはそんなことを言いながら店の中に入っていた。聞くより先にもう入ってるやん…。いいから帰ろうや…。

「私はお腹いっぱいだしいいかな…食べたいなら食べていいよ…」

「じゃ、食べます!」

あぁそう。童貞くんはなかなかお店の人に声をかけられないようだった。早く注文してね。

ようやく手をそっと挙げて「す、すみません」と声をかけてた。よく頑張ったね。

抹茶ソフト(湯煎餅付き)を買ってた。座ってゆっくり食べ出したらキレそうだったけど駐車場に向かいながら食べてたのでよかった。

「ここ何があるんでしょう??」

急に路地に入って行く童貞くん。絶対に何もなさそうな普通の路地だった。

「絶対なんもないから」

私はキレ気味に言った。小さい駐車場しかなかった。

「何もなかったですね!ウッウッウッウッ(キモ笑い声)」

いいから早く帰りたい。

 

帰ってる途中もいちいちルート確認とGoogleマップを信用してもいいのかという確認が入った。もう慣れたので適当に流した。その頃私は疲弊していたしイライラを抑えきれなくなっていて、ほとんど会話をしていなかった。しかも田舎の何もない真っ直ぐな道。そのせいだろうか。

「眠くなってきました…どうしたらいいですか?」

は?やめろや。殺す気か?こんなことで死にたくない。

「次コンビニあったら入りますね…」

クソ田舎でコンビニもなかなかないところだった。

「コンビニ見つかるまで持つかなぁ」

持つって何????降りたい。山道だけど何とかヒッチハイクとかして帰った方がまし。いや、上司にLINEして迎えにきてもらおうかな?いろんな考えが頭の中を駆け巡った。

運よくセブンイレブンを見つけた。私は車内で待つと言った。なかなか出てこない。コーヒーとか眠気覚ましの何かを買っているのか。行く時ローソン寄った時もコーヒーの機械上手く使えなくて5分くらいかかってたもんな…。10〜15分程度経った頃ようやく戻ってきた。

 

「アイス買ってきちゃいました」

は??????????

童貞くんはあずきバーを手に持っていた。

「は?」

声に出た。あずきバーって何????

「さっきもアイス食べてたよね…?」

「あれ?そうでしたっけ……ククク…ウッウッウッウッウッウッ(キモ笑い声)」

怖い。怖かった。こういう人だったんだ。怖いよ。あずきバーの袋を開け、食べようとしだした。早く帰りたい。

「かたい…あずきバーってかたいですね」

かたすぎてあずきバーが食べれないようだった。

「歯が折れそう…」

「……」

「え、あずきバー食べれない…どうしたらいいですか?」

知らねーーーーーーーーーよ。知らん。食うな。捨てろ。

「いいよ…待っとくよ…」

ろくろくは優しい。

 

途中変な山道を通ることになったけど何とか帰り着いた。もう19時近かった。辺りは真っ暗だ。

「待ち合わせのスーパー付近で降ろして」

家付近まで送ってもらおうかとも思ったけど一刻も早く離れたかったし、その辺りで仕事終わった上司と食事することになったので降ろしてもらうことにした。なのに。

「わかりました。駐車場に停めますね」

えっっっっっっ???

あなたの駐車場、スーパーから離れた坂の上だったよね?私がスーパーで降ろしてって言ったの聞こえなかったカナ?それとも駐車場はスーパーの範囲なのカナ?

真っ暗で外灯もない坂の上の駐車場で降りた。キレそうだった。わざわざ遠回りさせられるの何????

「ここも停めるの難しいんですよねー」

とか言って駐車5回くらいやり直してた。ねえ、なんで「運転なら任せてください」とか言った????????上司の方がはるかに運転上手い。なんか赤くてかっこいい車に乗ってるし。新車自慢したかったんだろうけど運転向いてねーよ…。

「大通りまで送りましょうか?」

送るくらいならなんで大通りで降ろさなかったのカナ??

正直私も暗くて不安だったけどさっさと離れたくて「いやいいから。じゃあね」と言うと「あ、じゃあ。さようならー」とあっさり引き下がってくれた。嬉しくて全力で走りながら坂を降りてスキップまでした。

 

その後、上司と軽くご飯を食べ今日のことを謝られながら私は盛大に愚痴を言った。上司も童貞くんとプライベートで遊ぶことはちょこちょこあったけど、そこまでとは思っていなかったらしく(私もそう思ってた)注意しておくとまで言っていたけど、別に注意するほどのことでもないしもう会うこともないのでいいですと伝えた。

 

そう思っていたら…。

「今日は楽しめましたか?僕は楽しかったです。また行きましょうね!」

というLINEが。

 

既読無視!!!!wwwwww

 

 

P.S.

「童貞くん」という割に童貞らしいエピソードは特になかったな…(この段取りの悪さ?とか優柔不断な感じは確かに童貞らしいと言えなくもないが…)